妖精と彼女【完】









「うわぁ…………」






あたしの口から漏れたのは、ドン引きの声ではなくて感動の声だった。





怪しい店だと警戒して入った店内は、まさに「ロマンチック」を具現化したような場所だった。





天井がプラネタリウムになってて、星空が広がっている。
店内は薄暗く、柔らかい光を放つ間接照明がとてもオシャレ。
ゆったりと静かに落ち着いた雰囲気で、店内はすごくキレイ。





店内は割と広く、バーのようはカウンター席と、テーブル席とがあった。
カウンター席の奥には、グラデーションのように置かれたお酒が目に入る。








内装の雰囲気に驚いてキョロキョロしまくりのあたしと、平然とした愛。
バーカウンターの前に立っていた長髪の店員さんが、そんな二人組の来店に気付いた。





「いらっしゃいませ〜」





その明るい声にお客さんが来たことに気付いたのか、フロアにいた店員さんがこちらにやってきた。
接客業とはなんたるかを問いたくなるくらい、無表情な男性店員さんだった。

店員さんはあたしたちに近づくと、丁寧にお辞儀をした。







「いらっしゃいませ。……お二人ですか?」





しかし、無表情であたしの弟に敵うはずもなかった。