親たちが帰って気が抜けたように
ソファに座るとアダムが
ペットボトルの水を持ってきた
冷えていて気持ちいい〜
「本当に疲れたの?」
アダムがすぐそばに座って
私の肩に手を回した
アダムから色っぽくて優しい
香水が香っている
『ううん』
疲れた訳ではなく面倒だったから
追い出したのだ
アダムはふっと笑った
「だと思った
優花からいい匂いがする
ベッドに押し倒したい」
しまった!
さっきベッドの話をした時点で
アダムにはそういうスイッチが入って
しまったことに気づくべきだった
空港のトイレでホワイトムスクの
香水をつけなおした
ムスクの香りはよけいにそういう
気持ちを盛り上げる
抱きかかえられ寝室のある方向に向かう
「My princes」
とアダムは言いながら
私にキスしてきた
飛行機の中よりも甘く深いものだった
『...ふぁ ぁ...ぅ』
思わず声が出てしまう
もうそろそろ私の顔から火が出そう
アダムはゆっくり私を降ろすと
壁に押し付けてきた
アダムが触れるところ全てに
電気のようにビリビリと感じる愛
アダムの唇からも吐息が漏れる
お互いにお互いを貪った
どれくらいキスをしていたのだろう
酸欠になりそうだ
アダムから体を離し
アダムのシャツに手をかけた
