屋上の床に寝転がると、
彼女は隣に座り込んだ。
「あんた、何でサボってんの」
「亜紀ちゃんに言われたくないよ」
「それ、さっきのアタシのセリフ・・・」
「あのさ」
さっきと同じように、真顔になった。
感情の温度差が激しい。
「どうして死にたいの?」
「あんたに関係ない」
「関係者になるには、友達になれば問題ないよね!きっと」
ポジティブ過ぎて対応に困る。
でも、アタシに友達なんか必要ない。
いつかは失うってこと知ってるから。
「あ、亜紀ちゃん笑った」
何故か口元が緩んでいた。
頬を触って確かめた。
「・・・あんたと話してるとさ、感情がぐちゃぐちゃになる」
「でも、死にたいなら何で死なないの?」
制服の袖を巻くって、
腕を彼女の前に差し出した。
「死ねないんだよ。3回死のうとしたけど」
「リスカ・・・」
彼女はアタシの腕を見つめている。
「1つ言っとくけど、あんたみたいな性格が一番嫌い」
それだけ言って、アタシは
学校を抜け出し家に帰った。
アタシには家族が居ない。
小学生の時から、この家で一人暮らし。
「早く死にたい」
天井に向かって呟く。
しばらくすると、インターホンが鳴った。
誰だか予想は出来た。
奈々か沙織しかいない。
「クラスの奴から聞いたぞー。結局サボったんなら、家に入れろよ」
だるい体を引きずりながら、
奈々と沙織を家に入れた。
「亜紀、ちゃんと食べてる?」
「適当に」
沙織は健康面だけは心配してくれる。
ぶっちゃけ、不良には向いてない。
「まだ中学の写真飾ってんの?・・・この頃は4人だったな」
「奈々はさ・・・何が気に入らなかった?」
「存在すべてだよ」
「奈々が殺したもんだよな」
奈々はアタシの胸ぐらを掴んだ。
アタシは睨み返した。
「あいつは弱いから・・・自分で死を選んだんだ!奈々は関係ない!」
怒ると恐ろしい目付きになる。
アタシと沙織は、怒った奈々には
逆らうことが出来ない。
