「結婚が目的じゃないと思うよ。永田さんはただ、としこっちの側に居てあげたい。楽しい毎日を送っていきたい。それだけだと思うよ?」

「そうかなぁ…私、結婚が怖いんだよね。自分の事を後回しに考えたくないからさぁ。常に自分の気持ちが最優先されて、待遇良くしてあげないと、何もかもやってられなくなって、それこそ鬱病だとか精神病になるし!…そんなの絶対いや!」

私はモモちゃんには、いつもの如く語る。

「そんなの私だって自分が常に大切だよ?あの元彼と付き合って、可哀想な自分を知って更にそう思うようになったもん。自分はこの世でたった1人しかいない、代わりはいないもん。…それに自分は特別なんだって、いつも思ってるし」

「あぁ、それ私も同じ!」

「そう簡単に他人の色には染まらないよ。簡単に他人に人生も心も預けたりはしない。でも、強がらないと折れちゃう時もあるでしょ?そういう時は、やっぱり都合のいい男に、その場は支えて欲しいし守って欲しい、助けて欲しいじゃん?」

「そうそう、それそれ」

「例えば愚痴聞いてくれて、おまえは間違ってないよって言ってくれたり。黙って頭を撫でて抱きしめてくれたり。楽しい事で嫌な事を忘れたり。それをしてくれる相手の側に居るって、結婚なんかよりも即効性の有る幸せを感じない?」

「…うん、そうだね…」

「一般的、世間的には非常識であっても、自分の心の中では貫けるモノだったら、それは間違ってない。正しいモノだと思う。それを永田さんは理解してくれた上で、としこっちの彼氏やってんでしょ?…としこっち、そういう面ではもう少し捻った大人の考え方しなきゃ、永田さんばっか可哀想だよぉ」

そう…そうだよね…。