絡み合わせるキスと、吸収されるキスの頃には、本気のキスになっていた。

永田さんは部屋の電気を消して、私はいつの間にか身ぐるみ1つ。

暗闇の中でも永田さんは、キラキラと輝いていた。

色白の素肌を全身で晒して、雪の音の中で吐息を混じらせながら、私に体温をくれた。

特別な人にしか持ち合わせていない、温もりをくれた。

朝を迎えるまでに、何度私は彼に「好き」と告げただろう。

夢中になって、他の事なんて一切頭の中になくて。

キモチイイ感覚と、眠気の虚ろいの中。

「永田さん…好きだよぉ…本気で、好きだよぉ…」

素肌にたくさんキスをした。

「…俺もだよ…俺も好きだって…好きって言ってんだろ?…」

囁きながらキスをされた。

頭をまた撫でられる頃には、私は眠ってしまった。

安心感。

体温と揺れる鼓動。

それから永田さん。

ここで眠れる私は、今は誰よりも幸せなんだって思えた。

「よしよし…としこ…お休み…」

元旦の夕方まで、私は永田さんの腕枕で眠る。

起きたら、ハグしてキスして。

また掛け布団の中へと2人でもぐって…。

お腹も空かないくらい、夢中になって永田さんに、私のありったけの気持ちをぶつけてやるの。

そうすると、彼も夢中で私に気持ちをぶつけてくれる。

気持ち…100%、通じたね。

私は布団の中で、永田さんにベッタリ巻き付いていると、

「大概だな、としこの甘ったれはぁ」

「あっ、呼び捨てしたなぁ?」

「俺の彼女だからなぁ。あの元彼のストーカーに、あんだけ、としことしこって言ってんのを聞かされてると、ムカツクからよぉ。そっこう読んだる」

そう言って耳元にキスされた。

「嬉しいなぁ…。ねぇ、永田さんは甘えん坊は嫌いなのぉ?」

私は彼の広くて大きな胸に、指先で螺旋を描きながら聞いてみた。

「甘えられんのは、嫌いじゃない。求められたら、なるべく要求通りの処置は取るよぉ」

永田さんは私の横髪を、優しく撫でながら流す。

「じゃあ永田さん、これからは私のワガママたくさん処置して?」

「限度超えたら、ちゃんと叱ってやる」

「それじゃ全然意味な~い」

「としこは、手が掛かるって。もう予測は付いてるから、きちんと人並みの人間になれるように、俺の厳しさでとしこの心をキレイに磨いてやるよ」