蒸し暑い風が、長瀬雛乃を直撃する…
「あっつ…」
いつも、運動する時以外おろしているセミロングの髪の毛を一つに束ねる
キーンコーンカーンコーン…
「今日はここまでにしよう。続きはまた明日やるから、しっかり予習しておくように。それじゃー、解散!」
一斉に教室がガヤガヤし出す…
「おーい、雛乃?どーした?暑くてぼーっとしてるの?ひーなーのー?」
雛乃はびっくりしたように、口を開いた
「えっ!?由奈、もう授業終わり!?えぇ?高野先生はーーーーーー?もしかしてもう帰ったとか!?」
教室が雛乃の大きな声で一気にシーンとする。ハッとしたように由奈が口を開ける。
「ひっ…雛乃!暑さにやられた!?たかの先生の授業は、次だよ!?」
シーンとしていた教室にどっと笑がこぼれる。
「雛乃、面白すぎwいったん顔洗って涼んできなよw」
雛乃は顔を赤くしてく立ち上がった
「そっ、そうだったね!ちょっと顔洗ってくる!!!」
ダッシュで雛乃は教室を飛び出した。
(はぁー、何やってんだろ…本当にあっつい。)
雛乃が水飲み場に行くと、一人の生徒がいた。
「よっ、雛!お前フラフラしてるぞw大丈夫か?」
懐かしい声に目を疑う。
「拓馬…?」
少しはにかんで、その生徒は雛乃を見つめた。
「雛ー、お前相変わらずなきむしだなー」
「拓馬…会いたかったよぉ…いつ戻ったの?」
「んー、一ヶ月くらい前。何年ぶりだっけ?二年?」
拓馬は泣いてる雛乃の横にちょこんと座って笑顔で問いかけた。
「あっ…そろそろ授業始まるから、戻るよ。雛も、先生に怒られないように、ダッシュでもどれよw」
そう言って、拓馬は雛乃の一個上の階に登って行った。