神様、お願い。
私の我儘に巻き込まれた、瑠花と瑠花の大切な存在を守ってっ。
私がこれ以上、自分の生き様に後悔して、誰かを巻き込んで彷徨わないように。


ずっと、ずっと……知らなかった。

ううん、知らないんじゃない。
知らない振りして、物事を……現実を見ようとしなかった。

前の私は……運命を受け止めていると思う傍らで、
後悔ばかりを繰り返し、ずっとずっとやり直すことしか考えられなかった。


誰かの為にやり直したい。


そんな大義を振りかざして。
だけど……気が付いたの。



長い時間がかかったけど花桜や瑠花と出会って、
三人でこの場所に来て昔の私を知る沢山の人の優しさに触れて、
私は自分が納得できるように、後悔し続けた思いを昇華してきた。



だけどその思いの代償が、対価が……知らぬ間に巻き込まれた親友の命を奪うことなら、
そんな時間はいらないっ!!



ねぇ、岩神さま……。


あの日……五稜郭で迎えたその瞬間、私を包み込んだのは龍神様の優しい光だった。
私の中の龍神様は、この場所しかない。


だって……ここは、この岩は龍神様が降り立ったと言われる大切な場所だから。
それを思い出したから。




ねぇ、岩神さま……私の想いを龍神様に伝えて。


私はどうなってもいい。
私は現代に帰りたいなんて言わない。



だから……せめて、瑠花と花桜……私の大切な親友が、
これ以上、苦しまなくていいように願いを叶えて欲しいの。



あの日、私の願いを叶えるために、開かれた扉の様に今再び、一度きりの扉を開くチャンスを二人に……。