分かったの、違和感の正体。






笑顔を見て感じた違和感。









2人の顔に違和感を感じてた。








みんなが羨むような白すぎる肌は、











まるで生気のない人形みたい。











それだけじゃない。











異常なほど美形すぎる整った顔。











同じ人間に見えないから、違和感があったんだ。







「天崎さん?」








ハッ…一気に自分の世界から現実に引き返された。







葵があたしの顔をジッと見つめていた。









お前、大丈夫か? みたいな感じで。








「え、あ。何?」







「フェアじゃないよね。」





いきなり、意味不明な発言にあたしのチンケな脳みそはすでにパニック。









え?何が?分からないんだけど!!






瑠宇がそんなあたしを見兼ねてか、すかさずフォローしてくれた。








「…名前だよ。君は僕らを名前で呼ぶのに、僕らは、違うから。」








つまり、“天崎さん”じゃなくて“雫音”って呼びたいってこと?








「…そーゆーこと。」瑠宇がボソッと呟いた。








なんであたしの考えてることが分かるの!?








テレパシーとか?…んなワケあるかっ。






じゃなくて、「あ、うんいいよ。雫音で。」








葵は嬉しそうに「そっか。」と小さく呟いた。









瑠宇が「…ねぇ、雫音。今日さ家おいでよ。」とニコリと笑って言った。








「…なんで?」








普通なら嬉しいことかもしれない。







イケメンから、家においでよ。と誘われたら女の子なら嬉しいはずだけど。








あたしは本能的に行っちゃダメだと思った。







葵も便乗して「おいでよ。きっと楽しいよ。」と完璧な笑顔であたしに追いうちをかける。









断わらなきゃ。






「悪いけど、あたし、「…雫音。」」







瑠宇に呼ばれ反射的に瑠宇を見てしまう。







なんか瑠宇の瞳を見ているとー………。






「……行く。」






え?あたし何て言って…!?







行かないって言おうとしてたのに!!






瑠宇の瞳を見ていたら急にボーッとして…







ふわふわした感じで…






気づいたら、行くって言ってた。







そんなワケないよね、意思を操つれるなんて…。









瑠宇がまさか「…そうだよ。」なんて言ってたなんてあたしは、










このとき気づいてもいなかったー………。