『燐、天崎雫音は?』









『まだ、眠っています』









『お前、能力を使ったんじゃないだろうな。










まさか、使ったのか?












…使ったんだな。











あれほど、言ったのに。優しくしろって!










我ら一族の、花嫁なんだぞ。








記憶を消すなり、すればよかっただろ。』












『申し訳ありません。』













誰だろう、燐さんと誰かの声がする。














目が開かない、体が重くて…















っていうか、痺れてる?














動きたくても動けない。












麻酔みたい。前に盲腸になった時、手術したけどそれに似てる。
















『まぁ、いい。目を覚ましたら、報告しろ。』












結局、声の主が分からないまま、














その人は部屋を出て行った。















誰かがあたしの髪を撫でる。












燐さんしか、いないから燐さんだと思うけど。


















「申し訳ありません、本当に。












お許しください。」


















あたしが意識あるのを知っているの?
















「でも、恨むなら私を。











私だけをー…」



















恨む?それに、花嫁って何?















あたしに知らないトコで何が起こっているの?















教えて、燐さん。













あたしが知らないこと、全部。















でも、燐さんは黙って部屋を出て行ってしまった。















何か悪いことが起こってるのは分かる。















でも、何なの?