【瑠宇side】



雫音って本当に小さいな。







抱きしめると、僕の腕にちょうど収まるくらい。








柔らかくて、暖かい。










雫音の少し速い心臓の鼓動が心地よく聞こえる。











僕を守ってくれるんだって。こんな小さな体で。












それがどんなに、僕にとって嬉しいことだったかわかる?










僕の涙が君に落ちるたび、僕から気持ちが湧き出るんだ。









こんなにも、君が愛おしい。










怒った顔も、恥じらう笑顔も、キラキラな笑顔も、全部。













こんなにも好きなのに。言えない。












掟がある限り、僕は君に気持ちを伝えれない。













忌まわしい掟の呪縛から僕らは解放されない限り、











君を愛せない。











掟は君にしか解けない。












ごめんね 、この事を僕らの口から話すことも禁じられてるんだ。















雫音に僕の心の声が聞こえればいいのに。














早く気づいて?僕らの呪いに。