【玲斗side】



俺は昔から、一番じゃなきゃ嫌だった。











違うな、一番じゃなきゃダメだった。












勉強も、運動も、全部。













それも、イカれた母親のせいで、












こうなっちまったのか。なんて、もうどうでもいいけどよ。










俺が一番だ。












だから葵、瑠宇、奏、あいつらだけには、ぜってぇ負けねぇ。













イケニエの餌だか花嫁だか知らねぇけど。













あの女も俺のだ。









俺が、あの女を手に入れて…俺が跡継ぎになるんだ。













そうすれば、アノ人も、












俺をー…俺だけを見てくれる。












グッと拳を握る。












白く筋が浮き上がる。












痛いほどに。