【奏side】



ドアの隙間から見える二人に俺は呆れてた。






ばかじゃないの?あいつら。









抱き合っちゃってさぁ。







るぅくんも、るぅくんだよ。









イケニエの餌なんかに、恋心抱いちゃってさ。









今更、「手を出さないでくれ。」なんて俺、聞かないよ?













会った時からおもってたんだけど、










あの子すっごくいいニオイするんだよね。








肌から発散する、










あの子の熱は甘い血の匂いを漂わせてる。










はやく、喰べちゃいたい。









でも、今るぅくんのガード固そうだしなぁ。











るぅくんに嫌われたくないし。











うーん、どうしたものか。













あ、いいこと思いついちゃった♪












今すぐには無理だけど、チャンスを狙えば…。










自分の策士っぷりに思わず、クスクスと笑ってしまった。











俺ってば、天才じゃないの?










抱き合う二人を横目で見ながら、くるりと背を向けた。











おバカさんには、罰を♪










俺には甘い血を♪













あの女にお灸をすえないと。












人間なんて、所詮エサなんだから。










俺らに釣り合おうなんて無理なんだから。











下等種生物が思い上がるなよ。