葵、どうしたんだろう。








急にどっか行っちゃった。








「…他の男のこと考えないでよ。











今は、…僕だけを見てよ…。」











ビックリして、瑠宇を見る。











拗ねたような、不服そうな顔で、あたしを見つめてた。












「心の声、勝手に聞かないでよ。








プライバシー侵害だよっ!」













「…雫音心の声が、僕の意思関係なく聞こえるのに?」











「きっ聞こえないように、努力するのっ!」












「…そんなの無理だよ。








雫音は、今聞こえる全ての音を遮断できる?










無理だよね、できないよね?










雫音はそんなこと僕に強制するの?」













そんな顔するのって 、ずるいと思う。












許しちゃうじゃんかぁ…。













瑠宇は眩しすぎる笑顔で、「…ありがとう。」と囁く。














瑠宇の声に思わず聞き惚れる。













なんか、聞いてるとボーッとしちゃう。












考えるのは、もうやめよう。













これ以上、瑠宇に聞かれると、














毎日、耳元で囁かれそうだから。













あたしも、瑠宇に微笑む。










「もう、離していいよね?」











そろそろ、身体を離したい。












瑠宇はニコッと笑うと







「…ダメ。」







あたしを、さらに強く抱きしめた。