【葵side】







瑠宇を抱きしめる雫音の心の声を聞いて、涙がでた。











こんなにも、綺麗な心の声は聞いたことがない。














俺らがヴァンパイアだって知っても、














バケモノ扱いするどころか、誰よりも人間らしいと言ってくれた。











嬉しくて、嬉しくて。











涙が止まらなかった。











涙なんて、とうの昔に枯れたと思ってた。












だから、止め方がわからなくて。















耐えられなくて、部屋を出た。

















生ぬるい液体が頬を伝っては、床に落ちる。











あぁ、俺は。









雫音のことが好きなんだ。











気づいてしまった。










俺の感情はもう、歯止めが効かない。