派手な4人の真ん中で歩くあたしを








好奇な目で見る人がたくさんいた。











もう、遅いよね。







絶対あたし話の種にされてる。








それだけならまだ、マシ。










明日、女子に問い詰められるのだけが、本当にイヤ。











想像しただけで眩暈(めまい)がしそう。












歩いて行くうちに、どんどん人気(ひとけ)のない道に進んで行く。










今なら、まだ間に合う。











逆方向に、全力ダッシュすれば










不意をついて逃げられるかもしれない。










そんな誘惑と闘っているうちに、あたしたちの足は急に止まる。













「ついたよ。」









葵の声だけが静かに響く。











あたしが見たのは。















小学校のとき『オバケ屋敷』と呼ばれていた古い洋館だった。














4人は、躊躇いもなくオバケ屋敷に足を踏み入れる。









「…雫音?…おいで。」










瑠宇があたしに手を差し出す。












背中にゾクリと悪寒がした。