二学期が終わるとすぐに来るイベント。
クリスマスが其処まで迫っていた。


クリスマスって何?

イエス・キリストの誕生日?

でも、クリスチャンの方々は違うと言っているらしい。

だけど聖書にも書かれていないそうだ。

解っているのは、大天使ガブリエルがマリアに伝えたとされる救世主の受胎告知の日。

それから逆算したのか判らないが、ある行事の日となされたのだ。


それはイタリアの太陽の復活祭。
それが起源なのはどうやら間違いないらしい。

つまり冬至ってこと。
日本だと十二月二十二日。
あれっ、確かクリスマスは二十四日のはずなのに……

まあ固いことは抜きで、一年のうちで一番夜が短いからたとえその後寒い冬でも嬉しいらしい。

太陽が徐々に日差しを延ばしていく日になることが。


ローマ時代にキリスト教を広める目的で、この日が選ばれたそうだ。
布教は困難をきわめる。
だからその地域の行事と合体したようだ。


キリストの本当の誕生日はどうやら十月辺りらしい。
でも、生まれよりも亡くなった日の方が重要なのだそうだ。


つまり十三日の金曜日ってことになるのだろうか?




 恋人達は、愛の証を求めて翻弄する。
例の三人も例外ではなかった。

ホテルのディナーの後、スイートルームをリザーブしたかった。

でも、そんな余裕も度胸も無い三人。
まして正樹を抜きにして、このラブバトルに決着なんてつけられないから。


それで結局、何時もの通り家で過ごすことになる。

美紀の手料理で、家族水入らずで……
でも、公平をきすために正樹の発案で、大も仲間に加わることになった。


正樹は既に……
諦めていた。
いくら美紀が好きでも、珠希の代わりにしてはいけないと思っていたのだ。
だからそんな提案をしたのだった。

正樹は大に賭けていた。

大と美紀の結婚。
本当は、それが一番だと思っていたのだった。