「覚悟出来てる?」


「ん!?」


「あのベッドが潰れるくらい中村さんを愛したい。俺、中村さんを無茶苦茶にしたいんだ。俺と一緒に堕ちてくれる?」


「もしベッドが潰れたら下にまっ逆さま……!?」


「違うよ。俺と恋に堕ちてくれるかってことだよ」


「うん。私もとことん堕ちたい。直樹君と一緒なら、何も恐くない」


「よし、それじゃ作戦実行」

直樹君はそう言うが早いか、私のパジャマに手を掛けた。
もう既にはだけきったそれ等は、直樹君の手により簡単に剥ぎ取られた。


直樹君は私の腰に手を伸ばして軽々と持ち上げお姫様抱っこをした。


直樹君の足が一歩一歩二段ベッドへ繋がる梯子を昇る。

そしてゆっくり、其処へ降ろされた。




 直樹君がやってくるまで、私は必死に声を押し殺していた。
でももう無理だった。


私は遂に口から漏らしていた。

その声に自分自身で驚いて直樹を見た。

直樹君は泣いていた。
泣きながら微笑みを浮かべていた。


「ママをもっとびっくりさせてやろう」
直樹君はそう言いながら、更に激しく私を揺さぶった。

直樹君は悪戯っ子のような目をしていた。


「でも、仏壇から『やめろ』って言われそう」


「あぁ、中村さんとこんな風になれるなんて……、本当に本当なんだよ。中村さんは俺の初恋の人なんだ。だからママだって許してくれるはずだよ」

直樹君は又ウィンクをした。