結局私は沢山の土の小袋を購入した。

何に使うのからお楽しみ。
本当のこと言うと自分でも判らないのだ。


安くなっているじゃがいもの種芋。
それに幾つかの野菜や花の種。
これも買っていた。

だって自然に手が伸びるんだもん。
そんな私をみんな、優しく見守ってくれていた。


大量買いした品物を大君が店のトラックで運んでくれる。
無料なのだそうだ。
だったら使わない手はないな、と思った。




 家に戻った私は、大君と一緒に荷物を下ろしていた。

軽トラの座席が二つしか無かったのだ。

だから直樹君も秀樹君も一緒に帰って来られなかったのだ。
二人は大君が、車を返した後、三人で歩いて帰ることにしてくれたのだ。


「ところで、何でこんなに買ったの?」

庭の一番隅に土の小袋を並べながら大君が聞く。


「何が何だか判らないの。私だってその訳知りたいわ」

私はストレートにぶつけてみた。
大君だから言えることだった。


「やっぱり」
大君は私に聞こえない位小さな声で言ったつもりだったのだろう。
その後で腕組みをして考えて込んでいた。


(――やっぱりって何? もしかしたら何か知ってるの?)

でも私は何故か不安にはならなかった。

ま、いいか。
と開き直ってしまったのだった。