現役時代。
大人気だった正樹。
プロレスラーらしからぬ風貌。
アイドル顔、ビジュアル系ロック顔など言われ持て囃されたこともしばしばあった。
でもその顔に似合わないタフさ。
それは珠希の献身で培われていたと言っても過言ではなかった。
だから余計に、大勢のファンの女性が珠希に嫉妬したと言う。
長尾正樹と珠希夫婦は、公私共に認めるラブラブカップルだったのだ。
でも珠希に触れた人は、反対に正樹を嫉妬したと聞く。
自己犠牲さえもろともせず、一途に正樹を愛する珠希。
その誠実な人柄に惹き付けられたのだ。
だからこそ、美紀は珠希の夢を追ったのだった。
(――やっと気付いの―
――もう遅い!!
私待ちくたびれたよ。
――そうよ。
私は美紀と一緒にずっと待っていたのよ。
――だから嬉しい。
――ありがとう沙耶。
あなたのお陰ね)
そんな珠希の声が聴こえたような気がした。
その時、正樹はもう一度決意した。
美紀を愛そうと――。
自分の全てをかけて愛し抜こうと――。
(――俺の魂が、美紀を求めている。
――俺は美紀を愛している。
――珠希を感じたからじゃない。
――智恵を感じたからじゃない。
――美紀だ!
美紀自身を愛していたんだ!!)
正樹はやっと、自分の感情を理解した。
苦しくて苦しくて仕方なかった葛藤が愛だと言うことも納得した。
大人気だった正樹。
プロレスラーらしからぬ風貌。
アイドル顔、ビジュアル系ロック顔など言われ持て囃されたこともしばしばあった。
でもその顔に似合わないタフさ。
それは珠希の献身で培われていたと言っても過言ではなかった。
だから余計に、大勢のファンの女性が珠希に嫉妬したと言う。
長尾正樹と珠希夫婦は、公私共に認めるラブラブカップルだったのだ。
でも珠希に触れた人は、反対に正樹を嫉妬したと聞く。
自己犠牲さえもろともせず、一途に正樹を愛する珠希。
その誠実な人柄に惹き付けられたのだ。
だからこそ、美紀は珠希の夢を追ったのだった。
(――やっと気付いの―
――もう遅い!!
私待ちくたびれたよ。
――そうよ。
私は美紀と一緒にずっと待っていたのよ。
――だから嬉しい。
――ありがとう沙耶。
あなたのお陰ね)
そんな珠希の声が聴こえたような気がした。
その時、正樹はもう一度決意した。
美紀を愛そうと――。
自分の全てをかけて愛し抜こうと――。
(――俺の魂が、美紀を求めている。
――俺は美紀を愛している。
――珠希を感じたからじゃない。
――智恵を感じたからじゃない。
――美紀だ!
美紀自身を愛していたんだ!!)
正樹はやっと、自分の感情を理解した。
苦しくて苦しくて仕方なかった葛藤が愛だと言うことも納得した。