「…………お前会ったことあるか?名前は?」
なんかすごい真剣な顔で聞いてきたんだけど!!
偽名使いたいぐらい名前教えたくない。
屋上で会った地味子ってバレるもん。
偽名使いたい....けど、ここにいる以上偽名など無駄だということなんてよく知っている。
ここは大手会社が集まるパーティだからなんも普通の人がいないわけで、偽名など使えるはずない。
「………な。神流由奈です…」
翔太くんに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。
名前言った瞬間びっくりした顔をした。
ああ、聞こえたんだね。
「お前…今日の昼の由奈か?」
「はい…」
あーあー言っちゃった。
学校の人にバレちゃった。
学校の人であたしが令嬢っていうことを知っているのは七海だけ。
これでまた一人増えちゃったよ。
「ちょっとお前こい」
「え、ちょ、」
あたしは強引に会場の外に連れ出された。


