好きなもんは好き。







「でも恭平くんにも教えてもらえない、となると誰に教えてもらうの?」




「いや、だから紫乃に「誰か舞香に教えてくれる、優しい人なんていた?」…。」





目の前の紫乃に教えてもらうって選択肢は本人が捻り潰したらしい。





あたしのこと心配してるような表情だけど選択肢ひとつ減らしたよね、ほんとね。





1番頼みたかった選択肢なんだけどな!!!







「…あ。いるじゃない、1人。」





「…えー?誰?」






ぶつくさ心の中で文句を言っていたのを一旦やめて渋々聞く。






紫乃と恭平以外に頼れる人なんているかな…?





町田くんとか?いや、あたし町田くんとあんまり喋ったことないんだよね。実は。






「一ノ瀬くんがいるじゃない。」





「いやー、紫乃さん、あたし町田くんとは…、え?一ノ瀬くん?」







さも当たり前のように言う紫乃に、もう一回聞き返す。






いや、普通に町田くんかと思ってたよね!なんかごめん町田くん!!!





この場にいない町田くんに謝って、考える。







「確かに、一ノ瀬くん頭いいし優しいけど…。あたしに教えてくれると思う?」





「舞香の理解力の無さを知らないから大丈夫だと思う。」





「それ喜ぶべきが凹むべきかわからないんだけど。」




「大丈夫褒めてる。」






ぜっっっったい嘘!





すっごい最後棒読みだった!嘘だよ!これ絶対嘘!