だから、教室で前の席に座る紫乃さんにこれでもかってくらい頼んでるにも関わらず、
一向に『YES』は聞こえない。
「紫乃さーんっ!紫乃さーんっ!あたしのテストがどうなってもいいんですか!」
「はっきり言えばそこまで私関係ないと思うんだけど。」
「ひどい!薄情ね!」
薄情ってすごいよね!情が薄いってかくからね!
あたしが怯えたようにそう言うと呆れた顔をされる。
「そんなに言うなら恭平くんに教えてもらえば?」
「ん、んー、なんかねぇ…」
「…あら、なんかあったの?」
恭平の名前にもごもごって喋ると紫乃が聞いてくる。
なんか、あの日からちょっと気まずいっていうか…。
よくわかんないっていうか…。
なんか最近恭平変じゃね?っていうか…。
「ああ、ほぼほぼ舞香のせいだと思うけど?」
「なんでぇえええぇええ!?」
「うるさいから叫ばないでくれる?」
あたしが叫んだ瞬間耳を塞いで笑顔で微笑みかけてくる紫乃に身震いする。
いや、だってなんでかって気になるじゃん…?
つい叫んじゃったっていうか、あは。


