「ごめんね!お待たせ、いつもありがとう。」
「ふは、気にしないで。俺が来てるだけだから。」
片付け終わって駆け寄ると、ニコッと笑う一ノ瀬くんの爽やかさに静かに悶える。
あ、でも『俺が来てるだけ』ってもうそれ一ノ瀬くんが自主的に、みたいになってるけど違うからね!?
結構前に超方向音痴のこの性格のせいで1人で図書室まで行こうとしたら思いっきり迷っちゃったからなんだ☆
2階の図書室に行くはずだったのに何故か体育館の女子トイレの前にいたあたしってある意味すごくない?
…はい。すみません、調子乗りました、はい。
それでその話を聞いた一ノ瀬くんが次の日から迎えに来てくれてるんです!!
イケメン!!優しい!!素敵!!
でもその話聞いてた時ふっつうに笑ってたけどね!!
堪えてたけどふっつうに肩震えてたからね!!!
「じゃあ行こっか。」
一ノ瀬くんの言葉に、あたしも頷いて教室を出ると。
「げ。恭平。」
「げ。ってなんだ、げ。って。」
あたくしの幼馴染様が。(と、町田くん。)
「…っていうか、舞香と仲がいいって言われてたのお前?」
「…俺が?さあ、聞いたことはないけど。」
あたしから一ノ瀬くんに視線をうつして話しかける恭平。
…な、なんか機嫌悪い?やっぱり?


