「…あ、小篠さん!食べ終わった?」
「一ノ瀬くん、うん、もう終わったところ。ごめんね、今行く。」
不意にあたしの教室に現れた一ノ瀬くん。
うちのクラスの女子の目がもうハートになってるよ…!
そりゃそうだよね。
さらさら黒髪に長身。
凛とした顔立ちなのに、物腰が柔らかいし。
モテマスヨネ、そりゃあ。
「あれ、一ノ瀬くんって食堂組じゃなかったっけ。」
「うん、そうなんだけどね、当番の時はわざわざ来てくれるの。」
うちの高校は食堂があって、お弁当組と食堂組で分かれる。
あたしと紫乃はお弁当組で、一ノ瀬くんは食堂組。
でも、当番の時は迎えにきてくれるんだ〜。
優しすぎですよね!!?
はい、反則!!!レッドカード!!!!!!!
なんて紫乃と少し会話しながら素晴らしいスピードでお弁当を片付ける。
一ノ瀬くんを待たせるわけにいかないと思ったらものすごい速さで手が動く動く。
これ、お弁当片付けっていう種目がオリンピックであったら上位行ける!!!
…はい、すみません調子乗りました。嘘です。はい。


