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「…ただいまー。」
「あ、舞香おかえりー。」
洗面所からひょこっと顔を出したお母さんに着替えてくるね、と伝えて階段を駆け上がる。
教室に飛び込んだ後の紫乃の質問攻めに少し疲れたと言いますか…。
着替えたら録画してあったテレビでも見ようかな…、なんてドアを開けたら。
「あ、舞香。」
「…不法侵入ー!!!」
幼馴染が何食わぬ顔であたしの部屋で雑誌読んでるなんて誰も予想できないっての!!
「窓の鍵は!?開けてたっけ!?」
「バリバリ開いてましたけど。」
おーまいがー…そうだ、今日恭平に久々に起こされてそのまま鍵開けっぱなしだった…。
はっきり言うと一ノ瀬くんとか紫乃のせいで朝以来恭平の存在忘れてた、てっぺろ☆
同じクラスなのに、幼馴染なのに、どんだけ影が薄いんですか恭平くん。
「…きょ、恭平。お菓子食べる?」
「は?なに急に?」
「いやせめてもの罪滅ぼしってやつっすかね?」
だ、だってなんか可哀想になって来たんだもん。
確か、昨日買ってきたいちご味のお菓子が…!


