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「返却日は今日から1週間までです。」
当番なう。カウンターなう。
着々と本のバーコードをコンピューターに読み込ませてお決まりの台詞を言っていく。
…あたし、こういう作業案外向いてるかも!!
何て思って不審に思われない程度にヘラッと笑う。
一ノ瀬くんはというと、返却された本を本棚の元あった位置へ戻す係り。
最初はあたしがね、イケメンな一ノ瀬くんがカウンターやった方が絶対色んな人が嬉しいと思ってその係りやろうと思ったんだけど、
『小篠さん女の子なんだからいいよ。こういうのは男がやるものだから。』
って爽やかスマイルで言われたらもう色々お手上げだよね。
すっごいきゅんってきた!!!こりゃみんな惚れるはずだよね!!!
これが恭平だったらやってくれるとは思うけど「いやいや舞香チビすぎて届かないだろ。俺がやった方が効率いいんだよバーカ。」って言われるよ。確実に。
152cmのあたしに喧嘩売ってんのか!!!って話だよね。
確かに台がないと上の方の本なんて全然届きませんけど!!
…なんかイラっときてバーコードを押すスピードが異様に速くなってしまった。
ピッ、ピッ、ピッくらいだったのが、ピッピッピッピピピみたいな。
あ、やっぱ説明下手だなあたし。
まあというわけで、180cmくらいはありそうな一ノ瀬くんの言葉に甘えてカウンター当番のあたし。
当番に来る前はなんか少しだけ憂鬱だったんだけど。
来たらなにそれ?憂鬱って何それ?ってくらい楽しい!!!
一ノ瀬くん普通に優しいし、カウンター楽しいし、司書の先生は良い先生だし!
普通にエンジョイしてた!あたし!!


