「…悩んでる舞香、なんか変」








「え、なに紫乃さん、去り際にあたしの心にもっとダメージをくらえに来たの?」









「…そうじゃなくて。なにウジウジ悩んでるのよ、あたしが知ってる舞香は頭で考えるより思った通りに動く子だった。」










「…は?」









紫乃の言葉に理解できなくて、思わず1文字で返事する。








え、なに、頭で考えるより思った通りに動くって感情で動いてるってこと?











「あたしは、こうって決めたら突っ走る舞香が好きなの。正々堂々と胸を張ってこれが好き!って言える舞香が。」








「…そう、かな…?」








「そうよ、なのに今の舞香はなに?この前から"どうしよう"しか言ってないじゃない。好きなら好きってはっきり伝えなさい、誤魔化さないでちゃんと相手と向き合えば?」











誤魔化さないで相手と向き合う、か…。








美人な紫乃の真剣味を帯びた瞳と目が合う。










「それにあたし、結構前に舞香はそのままでいいって言ったわよね?余計なことなんて考えないで今どうしたいか考えなさい。やり方だってなんだっていいじゃない、もう一回ちゃんと好きって気持ち、隠さずに堂々と伝えれば?」









「…うん」









あたしが頷くと満足そうに笑って、頭を撫でてくれた紫乃。










そう、だよね…、考えてばかりでウジウジしてるのあたしらしくないよね!!!










「紫乃のおかげで元気出た!ありがとう!」








「元気になったらなったでうるさかったわ。」








「え、なにそれどういう意味!?」









なんて何気ない会話しながら、帰る準備をしてドアの前に立った紫乃に手を振る。









「じゃあまあ私帰らなきゃだから帰るけど、舞香、頑張ってね?」








「うん、ありがと。紫乃、また明日!」