「無理って…、じゃあ舞香歩いて帰れんのか?」
「帰れ…る…よ?」
歩いて帰りたいとは思ってる。
ただできるとは思ってないけどね!
小さくなっていく声に、呆れたようにため息をついた恭平は、
「倒れたら困るから、念のためでもいいから乗れ。」
「倒れたら困るって、恭平は困んないでしょ!」
「は?お前より俺の方が困るんですけど。」
「ぎゃ、逆に恭平はあたしをおんぶして家まで歩いて帰れるの!?」
サラッと返してきた恭平に言葉が詰まって話題を変える。
そりゃ、あたしたちの家は電車も自転車も使わずに家に帰れる距離だけど人、1人背負って帰るのはなかなか厳しいのでは…?
「まあ舞香だから肩ぶっ壊れると思うけど、誰かおぶって家帰るくらい余裕だから」
「すっごい一言余計だし前後の文矛盾しすぎだけど、そこまで言うなら背負ってもらおうかな!!」
ニコォーッと笑いながら漫画みたいにムカつきマークを浮かべる。
肩ぶっ壊れるってなんだ!!大事件だろ!!!
「ふは、よし、乗れ」
あたしがムカついてそういうのも全部わかったように、笑った恭平の背中に、身をまかせる。
…いや、すごい覚悟してたけど密着しすぎだよね!はは!


