好きなもんは好き。









「失礼しました〜!」






当番が終わって図書室から一ノ瀬くんと一緒に出る。







「小篠さん何か悩み事?」






「あ、えっ、そう見える!?」








先生の言葉でほんの少し切り替えたんだけど…、そんなバレやすいのか…あたし…。








これだからすぐ嘘とかバレるんだよね…アハハ…。








「なんか元気ないように見えたから。」






「う〜ん、なんか、ちょっと色々考えることがありすぎて。」







へへっ、と少し眉を下げて笑う。








そんな明らさまに落ち込んでるのかな!?









弱いところとか見せるの、苦手だからあんまりはっきり人に言えないっていうか…。









曖昧に答えるしか、術がないんだ、あたしには。










「そう、あんまり無理しないでね?」







「ありがとう、一ノ瀬くん。」









心配そうな顔を見せた一ノ瀬くんに微笑んでお礼を言う。








こんな時はいつも恭平にだけ話して、解決してきたんだけど…、









今回は恭平に言える内容じゃないっていうのはさすがにあたしでもわかるぞ!










…ほんと、なんでこんなにモヤモヤしてるんだろうね。