好きなもんは好き。






「…はあぁー…」






あたしがそう言うと、あからさまにため息をつく紫乃に身震いする。







え、何!!?何!!?なんでちょっとイラってきてるの!!??







「…舞香、ただかっこいいって思うのと好きな人へのかっこいいは違うんだよ?」






「…そ、そうなの?」





「顔が整ってるかっこいいじゃなくて、心からその人が輝いてかっこよく見えるの。舞香は恭平くんがそうみえたんじゃないの?」






紫乃の言葉に、うーん?と考えてみる。







確かに、あの時、恭平がすごく輝いて見えた。






小さい頃から見てたけど、いつの間にかずっとずっと大きく男らしくなってた背中にどうしようもなくドキドキしてついに頭狂ったかと思ったよね。









「…恭平くんが来てくれた瞬間、すっごく安心したんじゃない?」






「…うん、それはすごく、安心した。」








いつも迷って心細い時に恭平が来てくれると本当に安心して。








まるでお兄ちゃんみたいな…。ん?お兄ちゃん?







「恭平がお兄ちゃんに見えたのかな!?」







「………ごめん、すっごい心底呆れてるんだけどとりあえず聞いてあげるね?なんで?」





「え、……お兄ちゃんに見えたなら周りと違ってかっこよく見えるっていうのにも納得がいくな、と思いまして…、え?違う?」







「…寝ろ、鈍感。」







恐る恐る言うと、最後に若干の暴言を吐かれました☆






いや、なんかもう紫乃の周りの空気が、イラァッー!!ってなったのが伝わったんだけど、なんで!!?