好きなもんは好き。






「─── 舞香、どうする?待ってようか?」






「ううん、大丈夫!すぐ追いつくから先行ってて!」









景色を堪能して、さあ帰ろうってなったけれど、あたしが近くのトイレに忘れ物をしたのを思い出した。








みんなに戻ってもらうのはさすがに迷惑かけちゃうと思ったから、サッとあたしだけで取りに行くことに。








最後まで恭平と紫乃は心配してくれてたけど、すぐそこのトイレだから平気!と納得させまくって、現在に至るわけです。








距離的には本当に短いけれど全力で走って、目的地に向かった。








「あっったぁぁぁああああ!!!」









トイレに駆け込んで、洗面台の上で見つけたイヤホンジャック。








ううう!良かった!!この子いないと困るんだよね!!









赤いビーズで施されたそれは輝きを放っている。









それをしっかりカバンに入れて、紫乃達を追いかけるために、トイレを飛び出した。











……のは、良かったんだけど。











自分で超方向音痴ってことを忘れてたよね。











はい、お察しの通り迷子になりました☆