「ふーん、幼馴染が急に男を見せてきたから戸惑ってるわけね。」




「し、紫乃様!!出来ればもう少しオブラートに包んでいただきたい!!!」





あわよくば、声のボリュームを下げて!!!





いるから!恭平本人は確かに教室にいなくても、人はいるから!!!!一応!!





ていうか、なんかちょっと言い方が嫌!!!!




説明が終わった途端、そう言った紫乃にあたしが慌てて言うと、ああ、って納得した様子を見せる紫乃様。





「恋愛対象に見てなかった人をいきなり恋愛対象に見なきゃいけなくなったってことね。」






…って!紫乃様!!!!どこらへんをオブラートに包んだのでしょうか!!!






まんま!まんまだよ!!!それ知ってる?!?!言い換えた、って言うの!






なんか、もう色々諦めることにするね!!







「で、舞香はなんか困ってるの?」





「困ってるって…、別に…。ただ、気まずいなって…」






実際隣の席デスカラネ!






いつまでなんだろうね、出席番号順って…、そろそろ席替えしてもいい頃だよね、今、ふと思っちゃったんだけどさ……。




「ふーん、なんで気まずいの?」





「だ!だってだよ!いきなり生まれてからずっと一緒にいた人に、『好きにさせるから覚悟しとけ』みたいなこと言われたら誰でも戸惑うじゃん!!!!」





「まあね…、でもあんた達ってすごいよね、人生の半分一緒にいるだけですごいのに、人生の全て一緒に過ごしてるなんて。」






本気で感心してる紫乃に、そんな凄いことか…?と首を傾げる。






もうなんかあたしの隣には恭平が当たり前で。恭平の隣にはあたしが当たり前みたいな世界だったからな…。