「で、舞香は何に悩んでいるわけ?」





「…悩みっていうか、その…、ね?」







結局学活の後、あたしの様子はおかしいと紫乃の中で認定されたようで、







お昼休みの今、教室で事情聴取をされています。





「いや、よくわかんないけど。…あ。もしかしてついにヘタレが動き出した?」





「…まずごめんね?ヘタレって誰かな?」





「ああ、ごめん。鈍感な舞香には未だに伝わらないか。」






紫乃さーーーーーーーん!!いや、美人だな!!美人の微笑み無敵だな!!






だが騙されないよ!なんかすごく馬鹿にしたよね!いま!







ていうかあたしは鈍感じゃない!






鈍感、チガウ。あたし鈍感ジャナイ。







「まあ、舞香は自分にも鈍感ってことは知ってるから置いとくとして。…何が頭を悩ませてるの?」






何がって…、え、言っていいの?そんなの?




言えなくない?なんていうの?恭平が…の先が思い浮かばないよ?





あたしが言葉に詰まってると、紫乃の目が爛々と輝いてくる。





え、ちょっと待ってよ、なんでそんなに楽しそうなの?!?!






「わかった、恭平くんね。」





「どぅええええぇえええぇええ?!なんで?!なんでわかったの?!?!」





「あ、当たった。」






カマかけたんかい!!





口角を上げる紫乃にカマかけなくてもなんとなくわかってたんだろうな、と察する。





なんかもう…、あたしの表情筋の馬鹿野郎!!!