好きなもんは好き。






「…舞香?」




「あ、恭平!ただいま。」





おでまししたあたしの幼馴染に一応挨拶すると小さく「…おかえり。」とだけ言われる。





…機嫌、悪い?





今日の授業では普通だったと思うんだけど…。






「優紀が舞香を家まで送りにきたのか?」






なんて考えてるといつの間にかこっちに来た恭平が帰ろうとしてた一ノ瀬くんに問いかける。





ちょ、だからなんでそんな不機嫌なの!?





今にも喧嘩しそうなんですが!!





この2人仲いいんだよね!?





「そうだよ、小篠さんと勉強してたから。」






にこやかに一ノ瀬くんが言ったと同時にボッと恭平の不機嫌メーターが増えた気がする。






なんでなんで!?





「優紀、送ってくれてありがと。もう大丈夫だから。」






恭平が一ノ瀬くんにそう言うと、突っ立ってたあたしの腕を掴んで引き寄せながら、





あたしの家の扉を開いて押し込むように2人で入る。






え、ちょ、待っ!?は!?






一ノ瀬くん置き去りにしちゃったよ!!??