キーンコーンカーンコーン…
「ひゃーっやばいやばいっ‼︎」
あたしは本鈴のチャイムを聴きながら廊下を走っている。
遅れた理由?
そんなの先生のお説教のせいに決まってる‼︎
あたしは遅れた言い訳を考えながら最後の階段を1段飛ばしで駆け上がる。
あたしのクラスは幸いにも1組。
階段から最も近い教室。
教室からは先生がホームルームをしている声が小さくもれていた。
そしてあたしは戸惑うことなく教室のドアを開ける。
ガラッ‼︎
「おはようございまーすっ‼︎」
「遅いっっ‼︎」
あたしはわざと眉間にしわを寄せてながら言う。
「先生のお説教が長いからでしょっ?!」
先生ははぁーっと深いため息をつきながら教室を見渡した。
教室にどっと笑いが起きる。
あたしも小さく笑った。
そう。
先生はあたしの片思いの先生でもあり、サッカー部の顧問の先生でもあり、担任の先生でもあるのですっ‼︎
