*不機嫌な王子様*



* * *



「舞華、ほら手だして」



誰かが私に手をだしている。すっと伸びた綺麗な手。

その上に私の手を置けばいいのかな?



「う、うん」



私は、その人の言われた通りに手を差し出した。

ここは、どこだろう。花と草に囲まれて一面緑な場所。



「行こっか」



その人が優しく笑ったような気がした。でも、どうしてかその人の顔が見えない。

太陽が光って眩しくて、逆光だったから……。



「ね、待って。どこに行くの?」



「……」



その人は、何も言わなかった。その代わりに、指が伸びてきて私の頬に優しく触れた。

その人に触れられたら何故か泣きそうになった。



「あなたは、誰なの……?」



私は、名前もわからないその人に問った。