*不機嫌な王子様*




『え……』



廊下にいた皆が、ぽかーんと口を開けている。



「王子様……見たかったのに~」



私は、肩をおとした。



「また、見れるよ。とりあえず、教室帰ろっかー?」



そう提案した紗々ちゃんは、にこっと私のことを見ている。



「そ、うだね」



ため息をついて、私は紗々ちゃんの隣を歩いた。



「あーぁ。一目でいいから王子様みたかった!紗々ちゃんは、王子様見たことある?」



「紗々もまだ見たことないよ!見てみたいね、どのくらいかっこいいのかな?」



紗々ちゃんは、ふんわり柔らかい笑みを浮かべた。その笑顔を見て心がほっこりした。

幼い頃から、いつもいるから紗々ちゃんの隣は落ち着く。