―――ふーんふんふん♪ (そのときの私はその声の主が私の人生をかえるだなんて思っていなくて。 そのときの鼻歌は私には聞こえてさえもいなかった) すれ違った瞬間。 かすかに甘い匂いが漂った その匂いが何だか懐かしくて不意に止まる その時初めてその彼の声に気づいた ずっと下を向いていた顔が始めて前を向いた瞬間だった。