「何?急に?」 首を傾げて見て来た遠矢。 もう嫌。 「彩乃?」 もう嫌だよ…。 なんで遠矢なんかに振り回されないといけないの? やめてよ…。 「わっ。 彩乃?どうした?」 「遠矢のばかー…。」 こんなに子供みたいに泣いたのも遠矢のせいで。 「泣くな…。」 こんなにも温かいぬくもりに包まれたのも遠矢のせいで。 ずっとこの時間にいたい。 そう思うぐらい、泣きたいだけ泣いて、ずっと遠矢に抱き締めてもらっていた。 .