真夏の太陽。

鳴り響く蝉の声。


えー、あたし
神谷乃々は死ぬのでしょうか。


ー…もう限界。 暑すぎる。

手の中にある天然水のペットボトル。
中身は空だ。


学校に着くまでの地獄。
校門が見えてきて、がんばれあたし
と自分に言い聞かせる。


ヒヤッ


突然、首元に冷たいものがあたった。


振り返ると
あたしの親友、篠原 紗羅がいた。

冷たいのは、キンキンに冷えた
スポーツドリンクだった。

『紗羅ぁぁぁぁぁ!!!!
おはよーーーーーー!!!!!』


あたしは紗羅に抱きつく。

「はいはい、おはよー。
乃々ー暑いから離れてねー」

冷静に相槌を打つ紗羅。


『紗羅っ!それもらっていい!?』

それ、とはスポーツドリンクのことだ。

「いいよ。
てか、乃々のために買ったんだし」


『〜〜〜〜っ!!!!!』

あたしはその言葉が嬉しすぎて
また紗羅に抱きつく。