カタオモイ。


プルルル♪プルルル♪


「はい!もしもし」

「もしもし。時東美玲と言いますけど、郁斗さんいらっしゃいますか?」


出たのは郁斗のお母さんだった。



「あら!こんばんわ!ちょっと待っててね!」

「はい」



ドキドキ…

ドキドキ…


なんか郁斗が出る時っていつも緊張するんだよな…。



「もしもし!」

「もしもし?美玲だけど…郁斗?」

「おう!」

「ごめん…ちょっと今いいかなぁ?」

「ん?別にいいよ?」

「ごめん…あのさ、郁斗ってあたしん家の前通るよね?」

「あっ!うん!朝練の時とか!」


…やっぱり!

よっしゃぁ!

頼んじゃおっ♪


「んでさ、お願いがあるんだけど…」

「どうしたぁ~?」

「あたしさ、いろいろとあって明日から学校に行けなくなったんだってぇ」

「どうしたぁ??!お前ッ!なんかしたのかぁ?」


びっくりしたぁ…。

こんなに郁斗がびっくりするなんて…。

こっちもびっくりするわ…。

ってか!

何もしてないしっ!!