カタオモイ。


あたしはもちろん、郁斗に渡すつもりでいた。


いた…?


ううん。

正しく言えば“いる”。


絶対渡したいなって思ってるはずなのに、どこか遠慮してる…。

これは多分…



美華の存在があるから。



今までだったらそんなこと気にせず渡せると思うのに…

なぜか気が引ける。


やっぱ片想いって辛いんだね。

でも、片想いにもいいことはたくさんある。



貴方を想い続けることもできるし、

貴方を見ることだって出来る。

貴方を見てドキドキしたり、

ちょっと目が合ったり触れたりすると心臓が爆発しそうになる。

みんなから応援だってしてもらえる。


“頑張れ”って

“美玲なら出来るよ”って


先輩に恋してる人にだって

“あたしも頑張るから美玲も頑張れ”って

“恋叶えッ”って


そんな支えてくれる人だっている。