「時東美玲の母ですけれども!!」
あたしの頭の上で母の声が聞こえた。
「時東美玲さんのお母様ですね。そこにいらっしゃいますよ」
「あぁ!ありがとうございます!!」
お母さんはあたしの方まで来た。
「美玲!」
「あぁ。母さん…」
「大丈夫?!」
「うん…大丈夫…」
あたしはお母さんに精一杯の笑顔を見せた。
なぜかというと…
お母さんが血相を変えて泣きそうな顔をしていたから…
こんなお母さん…
久しぶりだな…。
いつも怒られたり、笑い合ったり…
お母さんがお酒を飲んだ時は上機嫌になって顔を真っ赤にしてあたしにくっついてくる。
そしてあたしをくすぐり、じゃれ合ったりしていた。
ケド…こんなお母さんは6年生の入院以来だった…。
真っ青な顔をして…。
お母さん…また心配かけて…ごめんね…。


