「空、ありがとう。」

「え？俺なんもしとらん。祈が頑張っただけや。」

お父さんとお母さんが帰った。
ちょっと寂しいけど空がずっと隣にいてくれる。
もうそれだけで良い。

私は空が好き。

この思いいつか伝える。

「空、私ね、空がいなかったら今頃どうしてたかな。もしかしたらもうこの世界に存在してなかったかもしれない。お母さんとお父さんとも上手くいかないでずっと家に引きこもってたかもしれない。それとも新しい光を見つけてたかもしれない。」

「祈。」

「でも、でも私は空に出会えて、空が私に光になってくれて…すごく嬉しい。」

恥ずかしくてちょっと顔が赤くなった気がする。

私らしく。
私らしく笑えばいい。
そう教えてくれたのは空。

「ありがとう。私は、私は、空のことが…」

好き、って伝えるよ。

「待って。」

「え。」

「その思いは俺が伝えたい。だから祈が伝えんな。でも今じゃない。今じゃ、ない。もうちょっと待ってほしい。」

「うん。」

空がなに考えてるか分からないけど私は待つよ。