「祈、お母さんたちのとこ行こ?」

落ち着いた私に空が言った。

それでも私は怖くて首を振った。

「なんで?」

「お母さんたちは私が嫌いなの。きっとこんな子の顔なんて見たくないはず。だから私はもうお母さんたちの前にでないの…。」

お母さんとお父さんが大好きだからあなたたちの前には出ない。

「じゃあなんでお母さんとお父さんはここまで来たんやろ。」

え…。

「祈のことが気になったからとちゃう?祈のことが心配やからとちゃう?」

「違うよっ。それなら私をここにすてないもん…。」

愛してるんならここに捨てないじゃん。
違うよ。

「捨てたんじゃなかったら?」

え。

「祈さ、ここに来る前学校行ってなかってんやろ?で、ここには祈のことしらん子ばっかやから、ここに来てって言ったんちゃん?」

「そんな…。」

「祈も本間は分かってるんやろ?」

また涙が出てきそうになる。

私は静かに頷いた。

「行く…。お母さんたちのところに行く。」