それから私は大人しい子になろうと努力した。
元々シャイだったからもうその性格をバネにした。

井上君に、なんか雰囲気変わったな、女の子らしくなったんちゃん?ってよく言われるようになった。
私はその言葉がただ嬉しかった。

でも、城下さんたちのいじめはひどくなってった。
井上君はみんなの人気者。
私とは真逆の人。
それでも好きだった。

井上君のことを思えばいじめなんて簡単に耐えれた。
でも、私の体は耐えてくれなかった。
日に日に痣が増えていった。
親にはばれなくても井上君にはバレた。

そして毎回手当をしてくれた
「どうした?」
「ちょっとこけちゃって…。」
ずっとその繰り返しだった。

井上君に嘘をつくのは辛かった。
でも、いじめをばれるよりはましだった。
だって『いじめられてる子』なんて汚らしいから。