私たちは屋上から出て、ドキドキさせながら教室に行った。

教室を開けると空と涼夜が出迎えてくれた。

「松北!城下たちから話があるって。」

空が言った。

「城下さんたちが……?」

私たちは顔を見合わせた。

そして空と涼夜の後ろには城下さんたちがいた。

「えっと、色々ごめんなさい…あなたたちの気持ちも考えず…さっきの佐倉さんの言葉、胸に響いた。あれは私たちも信じていいんだよね?だから、本当にごめんなさい。」

静まり返った教室に城下さんの言葉か響く。
何回も何回も頭を下に向ける城下さん。

「…いいよ、もう。過ぎちゃったことは仕方ない!祈ちゃんが言ってたように誰にでも優しさがあるから城下さんたちにも私にもここにいるみんなにもある!だからもういいよ、でもその代わりこれから仲良くしてね?」

そう言って優しく笑う優衣。
城下さんは泣きながら何度も何度も優衣にありがとうって言っていた。

優衣は凄い。
あんなしんどくて辛くて悲しい思いをしたのに…あんなふうに笑って上げれるなんて…。
私には無理。
笑うなんて、まずその辛さから逃げたし。
だから優衣はすごい。
本当に尊敬する。

「佐倉さんも、佐倉さんの言葉がなかったら私たちまだ優衣をいじめてたと思う。だから佐倉さんありがとう。」

「え、そんな…。私は別に…。」

私は何もしてない。
ただ本当のことを言っただけ。
でも、私にお礼を言ってくれるなら私は素直に言いたい。

「どういたしまして!」

って。