「ただいま。」

返事がない。
きっとおばあちゃんは買い物に行っている。
でも、テレビの音が聞こえる。

「おぉ!祈、おかえり!」

…空だ。

私は今の空が嫌。
私をいつも励ましてくれる、でも、優衣のいじめを見て見ぬふりをした。
結局、空もみんなと同じ。

空を無視した。

「なんで、祈授業も出えへんかったん?さっきから、俺のこと無視するし。俺なんかした?」

「…空は良い人だと思うよ。でも、でも優衣が苦しんでるのを分かってるくせに、見て見ぬふりをした。私はそんな空が嫌い。」

全部言い切った。
ちょっと怖い。
空に見放されるのが、
でも、優衣の気持ちがすごく分かるから。

「…そっか、ごめん。俺も松北を守りたかった。自分の行動には納得いってなかった。でも、今助けたら、邪魔?とか変な不安が出てきて…ごめん。」

空‥・
そうだよね、人を助けるのは簡単な事じゃない。
空は毎日明るいけど、人だもん、不安があって当たり前。
それに気づかなかった私。
私が最低だ。
人の気持ちも考えないで…。

「…ごめん、空の気持ちなんて考えてなかった。ごめん。」

「祈は悪ない。だから謝らんて?これからは松北のいじめ見つけたら注意する。」

真剣な瞳。
なんだろう、ドキドキする。

「うん、ありがと。」