次の日、私は家族に見送られることもなく家を出た。

駅に着き電車に乗った。

電車に乗りながら見る景色は、都会から田舎になったいく。

電車が止まった。

ここが今日から私が住む町。

ここはなんと言うかすごく自然で空がキレイ、空気もいい。

私が住んでいた所とは真逆だった。

「おばあちゃん達まだ…かな?」

おばあちゃん達はまだだった。

12時には来るって言ってたのに。

今の時刻は12時15分と時計の針が指している。

1人でいるのが苦手な私は、駅周辺をうろちょろした。

「どうしたん?」

そこには1人の男の子がいた。

第一印象は、―すごい美少年― それだけだった。

歳は私と一緒ぐらい。

「え、えっと、おばあちゃん達がまだ来てなくて…。」

他人と喋るのが久しぶりな私は、なんだか少し緊張した。

「なんか地図とか持ってない?」

「え…。地図は一応持ってるけど…。」

昔、お母さんに書いてもらった地図。

そこには駅からおばあちゃん家まで行く道が書いてある。

まぁ、私には地図なんて読めないけど。

「じゃあ俺に着いてきて!この家まで一緒に行こ!」

男の子は地図に書いてある家を指した。

満面の笑みで…。

私に笑うなんてもったいない。

「あ、ありがとう。」

そう言って私は男の事後を歩いた。