「本間に大丈夫?」

「大丈夫だから…。」

優しく聞いてくれる私に冷たく返す私。

あー、本当最低だ。

「祈、汗だくやん。」

そう言って私の額をタオルで拭いてくれる。

「あ、ありがと…。」

胸がドキドキする。

なんでだろ…。こんなのはじめて…。

それより私はずっと気になってたことがあった。

「ねぇ、おじいちゃんに会ってないんだけど…。どこにいるの…?」

そう、こっちに来てからおじいちゃんに1回も会っていない。

「あぁ、祈のおじいちゃんは祈がこっちに来るちょっと前に亡くなったよ…。」

「え…!!!!」

死ん…だ…?

「そうなんだ…。」

そうだったんだ。

なんでだろう。

でも今はそんなことよりあの夢を見たことの方が気になる。

「なぁ祈、祈の過去教えてくれへん?」

「私の過去…?」

「うん…。」

私の過去…。
辛い過去…。

言うのは辛い。

でも空には隠し事したくない。

「いいよ、教えてあげる。」